「あらゆる現象は、自分に起因している」
小舟に乗り、岸辺に沿って舟を漕いでいる様子を想像してみて下さい。そして、自分は舟に座し、岸辺だけをじっと見ます。そうすると、岸辺が動いているような錯覚に陥ります。周りをみて、初めて我に返り、実は動いていたのは岸辺ではなく自分であったことに気がつきます。
人生は、この小舟のように自分の動き方で、色々な現象が起こっているのですが、それに気がつかず岸辺が動いていると思い込んでいる人が沢山居ます。自分を取り巻くあらゆる現象は、全て自分の心の動きや行動に起因していると考えるのが正しいと思います。どう考えても合点の行かないこともありますが、それは、この小舟に乗っている自分のように、狭い視野のなかでは分からないことなのです。私達には見えない力が働いていると思うのです。ですから、どんな良いことも悪いことも、結局は自分の因縁から生まれていることと、不平を言わず素直に受け入れて一生懸命に生きていくことが大切なのではないでしょうか。また、それが悪い因縁を断ち切ることのできる一番の方法なのだと思います。
山川和邦