「長所を伸ばすか、欠点を直すか」
本や講師の先生方は、欠点には多少目をつむって長所を伸ばすように指導した方が、いいと言います。しかし、私自身は、主に欠点を直すようにしてきました。だから、本に書いてあることも半信半疑でいましたし、実際の指導も、欠点を直すようにすることが多かったと思います。先日、哲学者で教師でありました森信三先生の本を読んだときに、このことについて、先生の明確な考えが書いてありました。それは、外面的な面、すなわち知識や技術に関しては長所を伸ばすのが良いでしょう。しかし、内面的な面、すなわち性格や習慣などは、欠点を矯正したほうが、長所が伸びるというものでした。これを読んだときに、私の悩みも吹っ切れました。性格などは、長所と欠点が裏表になっていて、切り離して考えるものではありません。欠点が直ると長所が大きく伸びてきますし、評価もされるようになります。簡単な例を取りますと、どんなに良い仕事をする人でも遅刻の常習犯だと、どうでしょう。
そのために、折角に仕事ができるという良い面が薄れてしまいます。遅刻の方に、目が行き、どうしても良い評価が出ません。しかし、この人が改心して、遅刻を直したらどうでしょうか。仕事が良くできるという長所が大きくクローズアップされてきます。このように、欠点を矯正することで、その人の長所がより強く出るようになることが沢山あると思います。そして、この欠点矯正は、本人が真剣に改心さえすれば、それほど難しくなくできることです。サンワの社員にも、欠点を直せば、大きく飛躍する可能性を秘めている社員が沢山います。欠点矯正に真剣に取り組んでみましょう。
山川和邦