「自分の力を発揮できるときとは?」
話は古くなりますが、昨年のロンドンオリンピックの
男子競泳400mメドレーリレーでは日本競泳史上
初めての銀メダルを獲得しました。
この勝因は何であったのでしょう。後で聞いた話ですが、
個人種目でメダルの取れなかった北島康介選手に
何としてもメダルを取らせたいというみんなの気持ちが
力となったようです。アンカーをつとめた藤井選手は
基準タイムに達することができず、実は個人種目には
出場できなかった選手です。第4泳者としては、
恐らく一番遅い選手だったはずです。
それが、第3泳者から引き継いだ2番という順位を
落とすことなく、銀メダルを獲得したのです。
本人は死に物狂いで泳いだと言っていました。
また、2011年の女子サッカーワールドカップで
見事に優勝を果たした「なでしこジャパン」はどうでしょう。
世界中の誰一人、日本が優勝するなどとは想像もして
いなかったと思います。それが、何故優勝できたのでしょうか。
選手達は、この年の3月に起きた東日本大震災に遭われた
東北の被災者の皆様に、自分達が勝利することで少しでも
元気になってもらえればという一心で、
心を一つにして戦ったようです。
この2つの例でも分かるように、自分のためではなく、
誰かのためにというきれいな心で戦うときに、人は最大の力を
授けられるように思います。邪心なく立ち向かえることが
プレッシャーの重圧からも解き放たれるのでしょう。
ここに私達が自分の力を出し切る答えがあるように感じます。
損得ではなく、心からお客様に喜んでもらいたいという
きれいな心で仕事をすれば、きっと大きな力を
授かるのではないでしょうか。
山川和邦