「千日回峰行」
私が購読している「致知」という雑誌の5月号に載っていた記事を今日は紹介したいと思います。
タイトルの 「千日回峰行」という荒行があるのですが、今までに満行できたのは、千三百年の歴史でたったの二人しかいないそうです。どんな荒行かといいますと、毎日深夜11時半に起床、お滝場で身を清め、12時に堂を出発、片道24キロ、高低差1300M以上の山道を16時間かけて往復するのだそうです。 この行には掟があり、一旦、行に入ったら、決して途中でやめることはできなく、高熱であろうと、足の骨を折ろうと許されず、もし止めるときは携行している短刀で腹を切るか、紐で首をくくるかだそうです。まさに命懸けの行なのです。
二人目の満行者である塩沼亮潤さんが、その著書で次にように書いています。行に入った最初の頃は、足を痛めたり、体の故障が多かったそうです。それは、力任せに歩いていたせいだと気付くようになり、それからは自然を受け入れ、1歩1歩「謙虚、素直」 「謙虚、素直」と心の中で唱えながら歩くようにしたら、氷の上を滑っていくような歩きができるようになったそうです。「人生も行も最も重要なポイントは、人を恨まない、人を憎まない、人のせいにしない覚悟をもつこと」だと塩沢さんは言っています。また「現実を受け入れ、愚痴らず、精一杯生きること、そこに道が開けてくる」とも言っています。何か偉大なことを成し遂げた人の共通している生き様だと思いました。
山川和邦