「完成された仕事はない」
社員と仕事のやり取りで、こんなことがあります。
「どうして、この方法でするの、もっと良い方法があるんじゃないの」と尋ねると、「今までずっと、この方法でやっていますから」と胸を張って答えます。愕然とするのですが、実はこのような仕事振りをしている人が意外と多いように思います。こういう人には、次のように質問をしたくなります。「それでは、あなたは定年になるまで、この同じやり方で、ずっと仕事をやり続けるのですね」「ということは、同じ価値の仕事しかしないので、給与は定年まで同じでいいですね」と。
私達には、これでいいという完成された仕事は存在しません。日々改善し、日々新しい方法をトライし、検証してみるのです。掃除の仕方ひとつでも、毎日違った方法で工夫する必要があります。この毎日の小さな改善の連続が、10年、20年、30年経ったときに大きな改善となるものです。サンワという会社も、私一人から始まり、約30年経って今は、グループで700名を越える会社に成長しました。それは、まさに30年の改善の積み重ねなのです。失敗も沢山ありましたが、それは挑戦の結果で、無駄にはなっていません。改善し、挑戦をしてきたから今の姿があるので、旧態依然として同じやり方をしていたのなら、間違いなく、今日までは存続していなかったと思います。1年前、2年前と較べて、自分の仕事のやり方が、変わっていますか。もし、何も変わっていないのなら、非常に問題だと思います。今期から、大きな組織変更をしましたが、これも成長のための、大きな挑戦です。変化は痛みを伴いますが、また同時に大きな発見もあります。
山川和邦