「上位者にたて突くこと」
修身教授録の著者である森信三先生が
次のようにお話をされています。
「上位者に、たて突くことを快しとするような人は、
大した人間にはならない」と。
しかし、どうでしょうか。世間ではその行為を
格好良いと勘違いされていないでしょうか。
また、むしろ部下は上司であろうと言いたいことは
きちっと言うべきだと思っていませんでしょうか。
勿論、そのようなことが必要な時はあるかも
知れませんが、私は基本的にはそうは思っていません。
上役は勿論、個人的にも親や兄弟姉妹でも
上の人の意に沿うように動くことが大切だと思っています。
その秩序が守られて、様々な関係が上手くいくのです。
大変優秀な人でも、このことが分かっていないために、
その能力を存分に活かすことができず、泣かず飛ばずのままで、
人生を終わってしまった人を何人も見てきています。
時には上司から理不尽なことを言われることもあるでしょうし、
勘違いをされてしまうこともあるでしょう。
しかし、その時に切れてしまうようでは大事を為す人物には
なれないのです。じっと辛抱することで誤解は解け、
いずれ良い方向に進み出すものです。
戦国時代の歴史の話しになりますが、徳川家康と同盟関係を
結んでいた織田信長が、家康の正室と長男の信康が武田側と
内通しているという情報を得て、家康にこの二人を
処刑するよう命じて来たのです。家康は苦悶の末、
正室を殺害し、信康を切腹させました。
このとき、家康が挙兵をし信長に反旗を翻したならば、
260年の徳川幕府はありませんでした。
サンワでは、規律と礼の守られた組織にしなくてはいけません。
上記のことをしっかりとわきまえて欲しいと思います。
山川和邦